大寒

 掲載が一週ずれてしまったが、先週末は大寒だった。その名の通りとても寒い週末だった。空気が冷たい。日が射さないのでガラス越しの暖をとることもできない。できれば布団に潜り込んでいたい。でもそれでは本を読む以外なにもできない。

 仕方がないので起き出して、焦げないギリギリのところまでストーブを近づけやっとこさ凌いでいる。ストーブは輻射熱で暖かくはなるが、部屋全体を暖めるほどの能力はない。部屋の空気は冷え切っている。手先が冷たい。伸縮性に富んだ薄手の手袋をはめキーボードを叩いている。

 しばらくすると寒さに耐えられなくなってくる。こんなときは風呂にはいるか、布団にもぐるか。昼から風呂は沸いていないので、選択肢は布団しかない。

 キーボードを腹に乗せ、足元の壁にプロジェクターで画面を映せば、寝転がってパソコンを打てるかもしれない。そんな無理をしなくてもノートPCならそのまま腹の上で仕えるだろう。いやいや、こんなときのためにタブレットPCが役に立ちそう。いやいやいや、そんなときはスマートホンに作業を置き換えるのが最新式かもしれない。

 工夫すれば手が打てそうな気がする。だけど、寒くて、そんな工夫をする気にはなれない。機械は使わずに、布団の中で夢想するだけしかできない。いや、むしろこんなときこそ積極的に手を休め、夢想に耽るべきかもしれない。最近じっくり考えることをあまりしていないのだから。