つる

 サッカーの試合中継などで、よく足がつった選手をみかける。

 ところでこの、足なりなんなりが、つった状態を表す日本語なないのだろうか。上の標題もできれば名詞にしたかったのだが、ちょっと思いつかなかった。それはさておき、

 サッカーでは、若く、しかも鍛えた若者でさえ、疲労がたまってくると足がつってしまう。わたしもなんども経験している。

 ところが、歳をとると意外なつりかた(他にうまい言いかたはないもんだろうか)が現れてくる。

 まずはサッカー選手と同じふくらはぎ。ただし、違うのは疲労の蓄積からではなく、ねていてちょっと伸びをしただけでつってしまう。実際につったのは一二度だけだが、気持ち良く伸びをしていたら、急激に筋肉が縮まりそうになるのを感じて、あわてることはしょっちゅう。

 掌の親指と人差し指のあいだ。これも疲労の蓄積ではなく、何かの拍子につりそうになる。危ないのは自転車に乗っているとき。ハンドルを握っていてつりそうになるときがある。

 一番恐れているのは脇腹。これもまだ、つったことはない。が、つる寸前になることは日所茶飯事。一番多いのは、立ったまま靴下をはいたり、座ってきつめの靴を脱ごうとしたとき。ほんの少し、ひねりがくわわるとすぐにつりそうになる。脇腹がつるとどうなるのか想像がつきがたい。それだけに恐怖を感じている。

 呼吸を司っている胸の筋肉がつったら生死の問題になるかもしれない。こちらも大いに気をつけなければ。といってもどう対処すればよいのかさっぱり見当がつかないが。

 歳を取ると、予期せぬことが生じてくるもんだ。