年金受給額

 見なくても良いもの、見ないほうが良いものを見てしまって、落ち込んでいる。

 それは、大手企業で四十年働いたひとの平均的な年金の額。なんとわたしの二倍近くある。国民年金のほうはほぼ同額であろうから、それをさっぴいてみると、落ち込み度は急降下する。

 厚生年金はわたしの二倍を超えていることになる。厚生年金の受給額は現役時の収入に比例するのだから、現役のときのわたしの稼ぎ(働きではなく、せめて稼ぎと言わせてください)が以下に少なかったかということになる。仕事に全身全霊を傾けなかったのは事実だが、それにしてもひどい。

 既に取り返し不能の今となって、よそさまと比較してもしかたのないことは重々承知している。我が身がそれでやっていけるかどうかが問題なのだ。

 ぎりぎりなんとかなるだろう、という線で落ち着いた。だが、平均がわたしの倍もあることを知るとかなり不安になってくる。平均値くらいないともしかして生活破綻してしまうのではないか。

 そんな心配をしてもいまさら打つ手はない。成り行きにまかせるよりほかはない。心配するだけ、無駄なこと。と、頭ではそう思うのだが、どうしてもすっきりした気分になることができない。

 こんな気持ち(不安)を引きずりながら隠居するのはよろしくない。よろしくないけど状況を改善することは今更不可能だ。ならば、考え方(そして生活)を改めるしかない。

 まあ、ゆっくり考えてみよう。