うんこ

　ずう〜〜っと、ずう〜〜っと、うんこをするのは恥ずかしいことだと思い込んでいた。うんこをしているところは見られてはならないことである。いや、それだけではなく、いま、うんこをしているということを悟られてはいけない。トイレの個室にはだれにも見つからないよう、こっそりといくもの。そんな風に思い込んでいた。

　そんな考えだったからだからどうかはわからないが、人生の前半はかなりの便秘症だった。うんこは数日に一度すればよいもの。ただ、ためてしまうと、出る時はドバっとでる。便秘と下痢を繰り返す生活だった。

　困ったのはいつ便秘から下痢に変わるかわからなかったこと。それは突然やってくる。便秘は耐えられるが、下痢をこらえることはできない。なんど冷や汗をかいただろうか。電車の中で気が狂いそうになったことも数知れず。駅でトイレに駆け込んでも行列ができていて、安心したあとにさらに我慢を強いられて、余計辛くなったこともしょっちゅう。

　どうしてそうなったのかわからないが、あるときから、朝、会社に着いたらトイレに行く習慣ができてきた。我が人生において画期的なことである。

　いっとき、ストレスが蓄積したことがある。このときは、朝、家を出る前にうんこがでる。ときには目覚めと共に便意を催すこともある。最初のうちは、この便通をすごく健康的なことと思っていたのだが、そうではなくストレスによる心因的なものであることがわかった。

　いま？　現在はですね、規則正しくはないが、したくなったら気楽にトイレに入ってすることにしている。ときには便秘も下痢もするけれど、ひどく困ることはあまりなくなった。やれやれ。