あしたがある?

 ♪明日がある、明日がある、明日があるさ

という唄がある。

 この唄が流行ったころ(むろん、青島幸男の詞で唄は坂本九ダウンタウンの浜田某ではありませぬ)、そのころわたしは小学生だか中学生だった。なので、歌詞の通り、わたしにも〝あしたはあった〟。未来の時間は無限とすら思えるほどだった。時間が限られているからダメ、ということはほとんどなかった。ダメなのは、能力やらお金やら気力の問題だった。

 ところが、いまはどうだろう。還暦をとうに超え、ぼちぼち人生の残り時間が見えてきた。しかも見えているのはおそらくは最大値である。たいがいは、そこに達する前に終わってしまうことだろう。

 なので、いまのわたしには、あしたはないと同じ。ただ、〝いま〟があるだけ。

 でも、そんなわけで、〝いま〟を大事にしよう、限られた時間を大切に使おう、と思うようになってきた。これは良いことだろう。ただし、現在はそう思うだけで、実践には至っていない。いいのかなあ……