小沢一郎

 小沢一郎が権力を持つことはそんなに恐ろしいことなのだろうか? これでは話が通じない。細かく言えば、小沢一郎自民党以外の政党で権力を持つのは恐ろしいことなのだろうか? 

 誰が怖がっているかというと、なぜかマスコミ。テレビや新聞など。現状の小沢バッシングはどう見ても、小沢が怖いので権力の座から追い落とそうしているようにしかみえない。なにをおそれているのかはわからない。

 お金の問題にしても、自民党で権力を持っていたときのほうがもっと危ないことをやっていたのではないだろうか。そのときはほとんど問題にならなかった。それがなぜ今? 自民党の小沢なら安心だったのだろうか。

 比較的マシと思われていた朝日新聞でも、先の参院選挙の直前にこんな記事が掲載されていた。ののちゃんの質問に藤原先生が答えるコーナー(いしいひさいちは関わっていないと思うけど)のテーマがなんと「豪腕」。なんで、この時期に、子供に向けてこのテーマ。なんらかの意図がなければこうはならないだろう。

 よくわからん。ゴシップ的な面白さなら、官房機密費の使い込み、ばらまきのほうがはるかに面白そうなのに、こちらは一向に盛り上がらない。それはマスコミが取り上げないから。なぜ、取り上げない。自分たちの身に降りかかってくるものがあるから? 間接的に小沢を援護する形になるから? 

 ともあれ、昨夏の衆院選での民主党の圧勝は、自民のオウンゴールによるところ大であろう。自民に見切りをつけ、未知の民主に期待したのだろう。マスコミが煽ったところもある。時の総理の失態はからかうにことかかなかったから。

 ところが民主の中の中心に小沢がいることにいまさらながら気付いて、マスコミの態度が変わった。浮かれている場合ではない。危険な芽は早く摘まなければ。ただ、わたしにはその芽がどう危険なのか知るよしがない。マスコミもそれは言わない。

 良くわからないのは総理を初めとする民主等執行部。政権をとったら、内部の敵を追い落として、自分たちが権力の座に座ろうとする。フランス革命もそんな感じだったのでは? ギロチンまで登場して。いまの民主党に内部での覇権争いをしているような余裕はないだろうに。


 余談かつ私見になるが、わたしは鳩山政権の施策はさほど悪く無かったように思っている。八ッ場ダム建設中止や米軍基地の国外撤去など、どちらもその通りだと思う。八ッ場ダムに関してはその方針を貫き通せなかったことに問題がある。沖縄に関しては、五月までなどといった無謀な期限を設定してしまったことが間違えであろう。旧政権が何十年もかけて築いてきた悪弊をそんなに簡単に変更できるわけがない。期限など設けずに、譲れない基本原則として、いつまでも粘り強く交渉していけば良かったのに。

 どちらも、方針はよかったのにその後の行動を間違えてしまったようだ。でも、まだ巻き返しの可能性はあった。だが、現政権ではそうはしないだろう。まして、自民党へ政権を返してしまえば元の木阿弥である。

 マスコミが困ろうがどうしようがそんなことはどうでもよい。政策の後退が気に掛かる。もっとも、経済政策に関しては、どうなればよいのか、わたしにはさっぱりわからないが。