480ヶ月

 国民年金は二十歳から六十歳までの四十年間毎月毎月きちんと払い込めば満額を受給することができる。これにひと月でも足りないと月割り計算で減額となる。つまり満額に対して、実際に払い込んだ月数を40年すなわち480ヶ月で除した分が受給額となる。

 というのはいまさら改めて言うべきことでもない。面白いなと思ったのは、40年ではなく480ヶ月とする計算である。

 いま、毎月の本代が一万なにがしかになっている。二十歳のころからならせば毎月これくらい読んでいる。ということは、480ヶ月で480万円強となる。これにはびっくり。

 同様に——つい最近止めたが——毎日一箱半、三十本ほどの煙草を吸い続けてきた。ひと月の煙草代が一万数千円。これまた、480ヶ月では480万円を越えることになる。

 つまり、本と煙草だけで一千万円ほど使ってしまったことになる。あまりの額に呆然としてしまう。こんな計算したことがなかった。なにごとも積み重なると恐ろしいものである。などと、教訓をたれている場合ではない。

 そして、これから先、何百何十ヶ月……、煙草代はゼロとして、本代は……? いや、そんな計算止めておこう。