隠居の時間割

 朝から海辺の散歩。まばゆい陽射し、暖かい空気の中ですっかり好い気分。ウッドデッキに座り込んでいたらウトウトしてきた。三十分ほど居眠り。この心の自由がたまらない。

 悩ましいこと、うっとうしいこと、要解決事項などを抱えて散歩に出るのだが、海に着くとそんなことはどこかにふっとんでしまう。めそめそした現状とは関係無しに、あれをやろう、これもやろうと、能動的な考えが次から次へと湧いてくる。

 そんな中で、隠居の一日の時間割を空想してみた。

 朝起きるのは七時頃かな。七時なら夜十二時まで起きていても多分大丈夫。お茶を一杯飲んで、学童の通学見守り隊(そんな名前じゃないと思うけど)の旗振りに。雨合羽、長靴も必要になってくるな。前々から農協(JA)の雨具が欲しかったのだが、それにしようか。

 よくわからないけれど旗振りは八時頃終わって、それからテレビを観ながら、朝食、朝刊。

 軽くネットをチェックして待望のお散歩に。海辺コースを主に他に数コース取りそろっている。曜日によって変えるか、その日の気分で選択するか。どのコースもほぼ二時間、一万歩超。帰ってくるのは十二時過ぎ。雨の日は家事その他。

 あり合わせで昼食のあと、大好きな昼寝。一時間ほどかな。

 そして、創作。ここでなにをやるかが重要。人生の残り時間でできること、できないこともあるので選択がむずかしい。

 で、すぐに夜になってしまう。あしたも隠居なので焦りはない。風呂の掃除をして夕刊読んで、風呂に入って、夕食。

 夜はネットを一、二時間。二度目の風呂に入って読書を一、二時間。そして十二時に就寝。睡眠七時間+昼寝一時間、計八時間。

 意外に時間がないなあ。

 たまには、午前の散歩と午後の昼寝と創作をつぶして、電車に乗って街あるきやら書店もうでに。とくに貧乏隠居にブックオフ巡りは欠かせない。

 こんな生活、すごく待ち遠しい。けれど懐具合もかなり心配。後で足りなくなってもどうしようもない。稼げるのは今しかない。

 隠居生活と生活費補填のための就業、折り合いのつけかたが難しい。しかも、相手のあること、自分ひとりではシナリオを書くこともできない。

 といいながらもなんら決め手が無く(仕事がなく)、不安をかかえたまま、隠居生活に突入しそうな感じがするが……。

 もっと、すっきり隠居をはじめるはずだったのに……


 ♪♪♪♪ 隠居開始まであと 52 日 ♪♪♪♪